たくさん勉強しているのに、なぜ成績が上がらないのか?
他の子よりも長い時間勉強しているのに、成績が上がらない子がいます。
子ども本人の努力もむなしく、親御さんも心配になります。
たくさん塾に行かせたり、新しい家庭教師をつけたりしても解決せず、お金だけ出ていく。
頑張っている子どもも親御さんもつらいですよね。
たくさん勉強しているのに成績が伸びない子には、どのような対策をすればいいのでしょうか?
教育心理学では、勉強時間と勉強成績とは必ずしも比例しないか、あっても関係性が弱いと言われています。
では、何が子どもの勉強成績を上げるのでしょうか?
目次
①大事なのは勉強時間より、静かな環境で邪魔されず集中できる環境
勉強ができるようになるには、確かに勉強時間を増やすことは大事です。
しかし、むやみやたらと勉強時間を増やしても必ずしも成績向上につながるとは限りません。
例えば、周りがガヤガヤとうるさい環境での勉強や他人に話しかけられるような状況での勉強では、勉強時間は長いですが、成績に結び付きにくいと思われます。
そのため、勉強時間が長くても成績が上がらないことはよくあることです。
そのような点に注目して、勉強時間よりも成績向上に大事なことを研究したのが、アメリカのフロリダ州立大学のPlantら(2005)です。
彼らは、学生を対象に、勉強時間・勉強した状況や環境など様々な要因を調べて、成績と関係するものを調べました。
すると、結果は以下のようになりました。
この図のように、勉強時間に加えて、勉強環境と勉強計画がかなり強く関係していることがわかります。
授業の出席率の勉強成績への影響力は低いです。
勉強環境とは、図書館で勉強するように、静かで誰にも邪魔されず一人で集中して勉強できる環境を指します。
勉強計画とは、いつどこで勉強するのかを、あらかじめ決めて勉強できているかどうかを示します。
特に強く勉強成績と影響するのは、勉強をする環境です。
勉強環境を整えて勉強しないと、せっかくたくさん勉強しても効果が薄いかもしれません。
研究論文には、
「勉強時間が成績にとって重要になるのは、勉強の質(勉強環境)が整った場合だ」
と書かれています。
長時間勉強ができる子は、努力ができる子です。
そのため、勉強環境を整えると成績もかなり上がると思われます。
②まとめ
まとめると
- 単に長い時間勉強しても成績向上には繋がりにくい。
- 静かで誰にも邪魔されず一人で集中して勉強できる勉強環境が成績と関係する。
- いつどこで勉強するかを予め決める勉強計画ができることが成績と関係する。
- 勉強環境を整えてたくさん勉強すると成績が大きく上がる可能性がある。
勉強環境を整えるのは、塾や学校などの集団指導の場では難しいです。
個別で教えてくれる家庭教師こそ、勉強環境を整えるには最適だと思われます。
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参考文献
Plantら(2005). Why study time does not predict grade point average across college students: Implications of deliberate practice for academic performance. Contemporary Educational Psychology, 30, 96-116.