教育熱心な親の子ほど勉強へのやる気やモチベーションが高い！

教育熱心な親の姿勢は子どもにも伝わります。

その親の態度によって子どもの勉強成績は上がります。

前回の記事では、親の教育への関与度と子どもの勉強成績に関係があることを紹介しました。

しかし、教育熱心な親の姿勢の子どもへの影響はこれだけではありません。

なんと、子どもの勉強へのやる気やモチベーションにも影響します。

今回は、勉強成績だけではなく、勉強へのモチベーションに関する教育心理学の研究を紹介します。

①教育熱心な親の姿勢がなぜ子どもの勉強へのモチベーションに影響するのか？

子どもに読書をさせたいのなら、親が読書する姿を子どもに見せなさい

とよく言われます。

このように親の行動が子どもの行動に大きな影響を与えます。

子どもの教育に熱心な親の姿勢は、まさに子どもが自分の勉強(教育)に向かうことに繋がるのです。

その影響は前回の記事のように、単に勉強成績が上がることに留まりません。

実は、「勉強をしよう」という自発的に勉強をするモチベーションにも親の教育への態度は関係します。

親のどのような教育への働きかけが子どもの勉強成績に影響するのかは前回の記事で紹介しました。

今回は、影響を受けるモチベーションの種類についてお話します。

②教育心理学でのモチベーションの種類

教育心理学でやる気やモチベーションと言えば、大きく二種類に分けられます。

一つは外発的モチベーションで、もう一つが内発的モチベーションです。

「外発的モチベーション」

まずは、外発的モチベーションです。

外発的モチベーションとは、「お金がもらえるからやる気が上がる」「おもちゃを買ってもらえるから頑張る」「褒められるからやる」などのように、外から何かを与えられてそれをきっかけに沸き起こるやる気です。

「○○のために」というモチベーションのことだと理解すると分かりやすいです。

「内発的モチベーション」

次は、内発的モチベーションです。

内発的モチベーションとは、「それ自体するのが好き」「ずっとやっていると心地よい」などのように、外の人やモノとは関係なく、自分の中で本当に好きであったりやりたかったり、自分の中から自然と沸き起こるやる気です。

「自分のために」というモチベーションのことだと理解するとわかりやすいです。

このようにやる気やモチベーションには二つのタイプがあります。

二つの内、勉強で大事なのは、二つ目の内発的モチベーションです。

単に「褒められるから」勉強をする場合、褒められなければ勉強をしなくなります。

なので、勉強を習慣化することも難しく、長期的に勉強をしないです。

しかし、「勉強をしたいからする」となれば、勉強が習慣化しやすく、長期的に勉強に取り組めるようになります。

では、どんな親の教育への姿勢が子どもの勉強への内発的モチベーションにつながるのでしょうか？

③親の教育への姿勢と子どもの勉強への内発的モチベーションとの関係

教育熱心な親の姿勢と子どもの勉強へのモチベーションの関係性を調べたのが、アメリカにあるヒューストン大学のFanとWilliamsの2010年に行った研究です。

なんと、1万5000人以上もの高校生を調査しています。

FanとWilliamsは、特に数学と英語への内発的モチベーションを調べています。

結果をまとめると、

• 学校側から親への連絡が多いと、子どもの英語と数学の両方の内発的モチベーションが上がる。

• 中学・高校卒業後の子どもの勉強面に親が期待するほど、子どもの英語と数学の両方の内発的モチベーションが上がる。

主な結果はこの二つです。

前回の記事と同様に、親と学校との連絡が密で、親の子どもへの勉強の期待が高いほど、子どもは英語と数学を自発的に勉強しようとします。

両方とも、親や先生が子どもの勉強を気にかけていることを伝える行動です。

このことが勉強成績の向上に影響するかもしれません。

④まとめ

本記事をまとめると、

• 親の教育への態度は子どもの勉強へのやる気やモチベーションに影響する。

• 教育心理学的に、モチベーションには外発的モチベーションと内発的モチベーションの二つがある。

• 親と学校との連絡が密で、親が勉強面で子どもに期待を抱くほど、子どもの英語と数学の両方の内発的モチベーションが高くなる。

勉強へのモチベーションはとても大切です。

勉強は習慣化してコツコツと毎日しないとなかなか身につかないからです。

しかし、子どもの勉強へのモチベーションを高めて勉強の習慣化を促すには、親の教育への態度も大事ですが、親以外にも勉強を応援してくれる大人がいるとより達成しやすくなります。

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参考文献

Fan & Williams (2010). The effects of parental involvement on students’ academic self-efficacy, engagement and intrinsic motivation. Educational Psychology, 30(1), 53-74.