学校や子どもの教育に熱心な親は子どもの成績を上げる!
学校や子どもの勉強に対する親のスタンスは様々です。
積極的に学校行事に関わりたい親御さんもいれば、勉強は子どもの自由に任せるご家庭もあります。
しかし、学校や子どもの勉強に積極的に関わる親の態度は子どもの勉強成績にプラスに働くことが教育心理学の研究で示されてきています。
では、親のどのような関わり方が子どもの勉強成績の向上につながるのでしょうか?
今回は、教育熱心な親の関わり方とその効果について紹介します。
目次
①普段の親の教育熱心な関わり方は、子どもの勉強成績向上につながる。
ご家庭によって教育方針は様々です。
学校行事に積極的に参加したり、PTA活動に協力したりするご家庭もあれば、学校のことは学校に任せるご家庭もあります。
勉強では、子どもの勉強時間や宿題を親が管理したりするご家庭もありますし、勉強は子どもの自由意志に任せてのびのびと子どもを育てるご家庭もあります。
このように、「学校教育に関わる」ことと「家庭教育にも力を入れる」ことなどを含めて”親の教育への関与”と呼びます。
この親の教育への関与度が高いと、子どもの宿題や勉強時間が確保されやすくなり、子どもの勉強成績の向上につながることは容易に想像できます。
また、学校の先生と教育相談をするのも親の教育に対する熱心さの表れなので、子どもの勉強成績に間接的に関係すると言えます。
なので、親の教育への関与度は、学校であれ家庭であれ、子どもの勉強力に影響する重要な要因です。
では、どんな教育への関与の仕方が子どもの勉強成績を伸ばすのでしょうか?
②教育熱心な親の子どもの教育への関わり方
ユタ州立大学とミシシッピ大学医療センター所属のXitaoとMichaelは、子どもの勉強成績向上につながる親の関与の仕方として4つ紹介しています。
「親子のコミュニケーション」
一つ目は、親子のコミュニケーションです。これは主に「子どもの宿題への配慮」「宿題を手伝う」「学校の進捗状況について会話する」の三つが挙げられます。つまり、勉強を子どもと一緒に進めているかを示します。どれだけ学校の勉強を親が把握しているのかは、子どもの勉強力の把握にもなります。子どもの勉強成績に関わると思われます。
「家庭での子どもの監督」
二つ目は、家庭での子どもの監督です。これは主に「宿題時間」「テレビの視聴時間」「勉強に集中できる家庭環境」などが挙げられます。つまり、子どもの勉強や日常生活の管理を親がどれくらいしているのかを表します。勉強する時間と環境を整えることは、即、子どもの勉強につながります。
「子どもの教育への期待」
三つ目は、子どもの教育への期待です。これは主に「子どもが将来教育的にどこまでできるようになるのか」や「学術的な達成の価値」を親が理解しているかが挙げられます。つまり、親が子どもの教育で願うことです。勉強や学問的な成長を願う親であるほど、子どもは勉強に精を出せるようになります。これは子どもの勉強力向上にもつながります。
「学校への連絡と参加」
最後は、学校への連絡と参加です、これは主に「親が学校へ、あるいは学校が親へ連絡をとっているか」「学校に親が自発的にボランティア協力するか」「PTA会議のように学校イベントに親が参加するか」の三つが挙げられます。つまり、親が学校へ関与するかどうかです。例えば、先生から親に子どもの勉強や生活態度の連絡が来たりすると、子どもは授業に集中できていない可能性が示されますので、勉強成績と関係性します。
このように4つの親の教育への関与の仕方があります。
では、これら4つの親の関与の中でどれが子どもの勉強成績向上に影響するのでしょうか?
③子どもの勉強成績が向上する親の教育への関与の仕方
先ほど紹介した、XitaoとMichaelは2001年に親の教育への関与と子どもの勉強成績を調べた研究を集めて、さらに分析しました。
すると以下の図のような結果になりました。
子どもの勉強成績に最も大きな影響を与えるのが、「子どもの教育への期待」と「学校への連絡と参加」でした。
逆に、「親子のコミュニケーション」と「家庭での子どもの監督」の勉強成績への影響力は弱いという結果です。
なので、親がもし子どもの教育に関わる時は、子どもの教育に何を期待するのかを明確にして子どもと話し合ったり、学校行事に積極的に参加したりする方が勉強成績向上には良いかもしれません。
宿題や勉強時間などを管理するのも大事ですが、ここにはあまり力を入れず、子どもの自由に任せるのも手としてはありです。 教育熱心な親御さんだと子どもの教育に何でも関わりたいと思われるかもしれませんが、時間と体力は有限ですので、子どもの成績への影響力の大きいことから関与する方が良いでしょう。
④まとめ
まとめると、
- 子どもの教育への関与は大事。
- 子どもの教育への関与には「親子のコミュニケーション」「家庭での子どもの監督」「子どもの教育への期待」「学校への連絡と参加」の四つがある。
- 4つの関与の中で子どもの勉強成績向上に大きな影響を与えるのが、「子どもの教育への期待」「学校への連絡と参加」の2つ。
「子どもの教育への期待」と「学校への連絡と参加」の2つが子どもの勉強成績アップに大きく影響するとは言え、「親子のコミュニケーション」と「家庭での子どもの監督」が効果がないというわけではありません。
「親子のコミュニケーション」「家庭での子どもの監督」は影響力が弱いので、子育てとお仕事で忙しい親御さんがまず取り組むものとして「子どもの教育への期待」と「学校への連絡と参加」が効率的で望ましいということです。
しかし、「親子のコミュニケーション」や「家庭での子どもの監督」にもどうしても力を入れたい場合は、外部の家庭教師に頼むのも良いと思います。
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参考文献
Xitao & Michael (2001). Parental Involvement and Students’ Academic Achievement: A Meta-Analysis. Educational Psychology Review, 13, 1-22.