先生との仲が良いと、子どもは勉強への自信がつく!
学校や家庭教師では、先生との仲の良さが勉強に大きく影響します。
特に、先生と不仲になると、子どもはその先生の教科が嫌いになり、最悪、勉強自体が嫌いになります。
他方、先生と仲が良いと、普段全く勉強しない子が好きな先生の教科だけ勉強して、テストで高得点を取ることもあります。
このような例は良く見かけますが、実際のところ本当にあるのでしょうか?
「かてきょの森」は、好きな先生が選べるサービスです。
なので、勉強しない子どもが好きな先生と出会うことで、勉強に励むようになった姿を幾度となく見てきました。
そんな実体験が、実は教育心理学の研究でも示されています。
先生と子どもの関係性が勉強の自信につながることをご紹介します。
目次
①先生と子どもの関係性は勉強への姿勢に大きく影響する⁉
先生と子どもの関係性が、子どもの勉強姿勢に影響することを示したのが、アメリカのテキサスA&M大学のHughes(2011)の研究です。
彼女は、小学二年生から四年生まで、勉強が真ん中より下の普通よりも苦手な子を対象に、追跡調査を行いました。
この時、学校の先生と子どもが、それぞれお互いの関係性をどう捉えているのかを質問紙で調査しています。
関係性として、主に「サポート」と「対立」の二つの視点で捉えています。
まず、「サポート」とは、先生と子どもの関係性の良さを表します。
具体的には、先生視点だと「この子と一緒にいると楽しい」「この子を褒めたくなる」「この子を育てられる」などの項目で測ります。
一方、子ども視点だと「先生がどれくらい自分のことを好きか」「先生との関係性にどれくらい満足しているか」「先生がどれくらい自分のことを尊重してくれるか」などの項目で測定しています。
次に、「対立」は、先生と子どもの関係性の悪さを表します。
具体的には、先生視点だと「子どもとよく言い合いになり、お互いがお互いを困らせている」「この子を叱りたくなる」などの項目で測ります。
一方、子ども視点だと「先生はどのくらい叱りますか」「どれくらいお互いで意見が対立して言い合いになりますか」などの項目で測ります。
このような先生と子どもの関係性を、それぞれお互いがどう思っているのかを小学三年生の時に測定しています。
その後、四年生になった時の勉強姿勢にどう影響するのかを分析しました。
②先生が思う子どもとの仲良さが、子どもの勉強姿勢に影響する!
結果の一つ目は、先生が思う(視点での)子どもとの関係性が、子どもの勉強姿勢に及ぼす影響についてです。
それが以下の図になります。
この研究では、算数と読解力に焦点を置いています。
先生が子どもと仲が良いと思うほど、子どもは算数と読解力に自信がついていることが示されています。また、子どもが勉強に没頭・集中する一生懸命度も上がる傾向です。
他方、先生が思う子どもとの対立(仲の悪さ)はどうか?
あまり影響はなさそうですが、子どもが勉強に没頭・集中しなくなりそうな傾向でした。
なので、先生が子どもと仲の良い関係が築けていると思えると、子どもの勉強姿勢が良くなると言えそうです。
③子どもが思う先生との仲良さが、子どもの勉強成績と勉強姿勢に影響する!
結果の二つ目は、子どもが思う(視点での)先生との関係性が、子どもの勉強成績や勉強姿勢に及ぼす影響についてです。
それが以下の図になります。
子どもが先生と仲が良いと思うほど、子どもは算数と読解力に自信がついていることが示されています。
また、子どもが「ここにいていいんだ」と思う所属意識も高まり、先生との居心地の良さも高くなります。
他方、子どもが思う先生との対立(仲の悪さ)はどうか?
あまり影響はなさそうですが、所属意識が低くなる傾向でした。
なので、子どもが先生と仲の良い関係が築けていると思えると、子どもの勉強姿勢が良くなると言えそうです。
④まとめ
以上より、
- 先生が子どもと良好な関係を築けていると思うほど、子どもは算数と読解力に自信がつく。
- 子どもが先生と良好な関係を築けていると思うほど、子どもは算数と読解力に自信がつく。
- お互いの関係性が不仲だと、子どもは所属意識が下がり、勉強に一生懸命になれない可能性がある。
やはり、先生と子どもとの関係性は勉強を続けるうえでかなり大切だと思います。
先生も子どもも人間なので、相性の良し悪しは必ず起こります。
なので、「かてきょの森」で、ぜひ相性の良い先生を下記のリンクをタップして探してください。
勉強は一生ものです。子どもが早めに勉強を好きになってもらうことは大事です。
参考文献
Jan N Hughes. (2011). Longitudinal effects of teacher and student perceptions of teacher-student relationship qualities on academic adjustment. The Elementary school journal, 112(1), 38-60.