テスト本番に弱い子どもへの接し方。不安をなくして本来の実力を発揮させる方法。
テストが不安な子どもは多いです。
普段の授業を深く理解し、小テストも完璧にこなせるのに、テスト本番になると不安で普段の実力が発揮できなくなる。
特に受験期のお子さんは、模試や一発勝負の試験本番で、積み重ねてきた努力の成果が発揮できずに、悩まれる方が多いです。
かく言う筆者も、模試での判定は良かったのに、大学受験で失敗した経験があります。
そんな試験本番で力を発揮できないお子さんのために、今回は教育心理学で不安を解消し、本来の力を発揮しやすくする方法をお伝えします。
目次
①心理学を使って、テスト前の不安を解消し、点数を上げる方法
心理学には「テスト不安」という言葉があるくらい、世界中でテスト本番時に憂うつな気持ちになる人が多いと言われています。
そんなテストの不安を簡単に解消する方法が、少し前の研究で発見されました。
シカゴ大学のRamirezとBeilockは、テスト前にちょっとしたことをするだけで、テスト不安を解消し、テストの成績を上げる方法を2011年に発見しました。
その方法はとても簡単で、紙とペンを用意し、テストの不安と思いを10分間書きなぐるという方法です。
彼らの研究では、テスト前にテストの不安を書きなぐる群といつものように何もしない群とを用意し、二つの群の数学テストの正答率を比較しました。
すると、結果は以下のようになりました。
縦軸は、数学テストの正答率です。
横軸の左側が、本番の前の事前テストの正答率です。
心配事を書いた群と何もしない群で、成績に差がないことを示しています。
横軸の右側が、本番テストの正答率です。
オレンジが不安を書きなぐる群で、青が何もしない群です。
すると、一目瞭然ですが、テスト前に不安を10分間書きなぐった群の方が正答率は上がっています。
一方、何もしない群では、テストの不安ゆえか、若干正答率が下がっています。
このように、テスト前にたった10分だけ不安や思いを紙に書きなぐるだけで、テストへの不安が解消されて点数が上がります。
その子本来の力を発揮できた証拠です。
また、同じ研究の中で、特に不安を抱きやすい子で不安解消の効果が高く、成績も上がっていました。
簡単に言えば、不安やイライラを抱いているときに、友人や家族にそのモヤモヤを話すとスッキリする感覚です。
テスト本番だと誰とも話せないので、紙に自分のモヤモヤをぶつけるのです。
この研究の結果から、緊張しやすい子や本番に弱い子ほど、この書きなぐる方法を用いると効果は高いと思われます。
②まとめ
まとめると
- テストの不安を解消し、点数を上げるには、10分間不安や思いを紙に書くのが良い。
- 特に本番で緊張しやすい子や不安が強い子ほど、感情を紙に書く方法は効果的です。
テスト本番の緊張や不安は、誰でも起こります。
中には、全く緊張も不安も抱かない子もいますが、大半の子は本番でネガティブな気分になります。
今回の「紙に書く」という方法は、たくさんある不安解消法の一つです。
お子さんに合う、緊張や不安を解消する方法を探せると最も心強いと思います。
「かてきょの森」では、そんなお子さんに一対一で向き合い、お子さんに合った先生を選ぶことができます。
テストでなかなか普段の力を発揮できないお子さんをお持ちの方は、ぜひ下記のリンクをタップして、合いそうな先生に相談してください。
テストの緊張や不安が解消されるだけで、お子さんの成績も気持ちも良くなります。
参考文献
RamirezとBeilock(2011). Writing About Test Worries Boosts Exam Performance in the Classroom. Science, 331, 211-213.